Paperspaceの有料プランを解約したはずなのに、クレジットカードの明細を見ると、たまに300円前後の請求が発生していました。
月額プランは解約済みで、GPUも使っていません。
「有料プランを解約できていないのでは?」
「アカウント自体を削除しないと請求が止まらないのか?」
と不安になって調べたところ、私の場合はPaperspaceに残していたStorageのデータが原因でした。
Stable DiffusionやFramePackで使うためにダウンロードしたモデルファイルが大量に残っていたのです。
結論:有料プランを解約してもStorage超過分は請求される
Paperspaceの有料プランを解約しても、Notebookなどで保存したデータが自動的に削除されるわけではありません。
私が利用していたGradient Subscription Planについて、2026年8月13日時点の公式料金表では、プランに含まれるStorage容量は次のように案内されています。
| プラン | プランに含まれるStorage |
|---|---|
| Free | 5GB |
| Pro | 15GB |
| Growth | 50GB |
含まれる容量を超えた分は、1GBあたり月額0.29ドルです。
出典:Paperspace Pricing(DigitalOcean公式)
たとえば、Proプランの利用中に12GBのデータを保存していたとします。Proには15GBまで含まれるため、その時点では追加のStorage料金はかかりません。
しかし、Proを解約してFreeへ戻ると、含まれる容量は5GBになります。
12GB − 5GB = 7GB
この例では7GBが超過分です。為替や税金、実際の利用期間によっては、日本円で数百円程度の請求になる可能性があります。
つまり、Subscription Planの解約に失敗しているのではなく、無料枠を超えたデータをPaperspace上に保存し続けていることが原因になり得ます。
なお、Paperspaceには個人向け・チーム向けなど複数のプラン体系があります。自分の無料枠と超過料金は、必ず現在のプラン画面とBilling明細で確認してください。
最初にBilling明細とStorage使用量を確認する
請求の原因を確認するには、最初にPaperspaceのBilling画面で請求項目を確認します。
私の場合は明細に「Storage」と表示されていたため、保存データに対する請求だと分かりました。
Storageの使用量は、Team SettingsにあるStorageタブから確認できます。PaperspaceのPersistent Storageはチーム単位で共有されるため、一つのNotebookだけでなく、同じチーム内のデータを合計して確認する必要があります。
出典:Storage Architecture(DigitalOcean公式)
有料プランを解約したのに請求が続いている場合は、Billingに次のような項目がないか確認します。
- Storage
- Block Storage
- Shared Drive
- Snapshot
- Custom Template
- Public IP Address
- Private Network
- VPN
明細がStorageなら、プランに含まれる容量を超えていないか確認します。別の項目なら、そのリソースが残っていないかを確認してください。
私の場合はStable DiffusionとFramePackのモデルが原因だった
私はPaperspace上で主に次のような生成AIツールを使っていました。
- Stable Diffusion
- FramePack
- 画像生成や動画生成に使用する各種モデル
Stable Diffusionを使っていると、チェックポイントだけでなく、LoRA、VAE、ControlNet、アップスケール用モデルなども追加していきます。FramePackのような動画生成AIでも、動作に必要なモデルをダウンロードします。
私の場合は、生成した画像や動画よりも、こうしたモデルファイルの容量が大きかったことがStorage超過の主な原因でした。
有料プランの利用中は保存容量に余裕があったため、特に問題になりませんでした。しかし、Freeプランへ戻ったことで無料枠を超え、少額の請求が続いていたというわけです。
Paperspaceで生成AIを使ったことがある人は、生成物だけでなく、モデルが保存されているフォルダも確認してみてください。
請求を止めるには不要なデータを整理する
GradientのStorageが原因なら、必要なデータをバックアップしたうえで、現在のプランに含まれる容量以内まで使用量を減らします。
生成AIを使っていた場合は、次のようなデータが削除候補になります。
- Stable Diffusionのチェックポイント
- FramePackのモデル
- LoRA
- VAE
- ControlNet
- テキストエンコーダー
- アップスケール用モデル
- 生成した画像・動画
- 学習用データ
- 過去のNotebookやプロジェクト
特にモデルファイルは一つひとつの容量が大きいため、小さな画像を大量に削除するよりも、使っていないモデルを整理した方が効率的です。
公式ドキュメントでも、/storageは画像、Dataset、モデルのチェックポイントなどを保存するPersistent Storageとして説明されています。/storageに保存したファイルは、Notebookの実行をまたいで利用できます。
出典:Storage Types(DigitalOcean公式)
再びダウンロードできるモデルは、現在使っていなければ削除候補にできます。ただし、配布が終了しているモデル、自分で学習したモデル、設定済みの環境などは、削除前にローカルPCや別のストレージへバックアップしておきましょう。
容量の大きいフォルダを確認する方法
Paperspaceでは、Notebookのターミナルからフォルダごとの容量を確認できます。
cd /storage
du -sch .[!.]* * | sort -h
Notebookのコードセルから実行する場合は、次のように先頭へ!を付けます。
!cd /storage && du -sch .[!.]* * | sort -h
個別のファイルまで確認する場合は、次のコマンドを使えます。
cd /storage
find . -print0 | du -ch --files0-from=- | sort -h
コードセルでは次のように実行します。
!cd /storage && find . -print0 | du -ch --files0-from=- | sort -h
出典:How to Manage Storage for Notebooks(DigitalOcean公式)
Stable DiffusionやFramePackを使っていた場合は、次のような名前のフォルダを確認します。
models
checkpoints
loras
vae
controlnet
diffusion_models
text_encoders
transformers
保存場所は環境によって異なります。容量の大きいフォルダから確認すると、Storageを使っているデータを見つけやすくなります。
不要なファイルを安全に削除する方法
不要なファイルやフォルダはrmで削除できますが、削除したデータは簡単には元へ戻せません。
最初に、現在の場所と削除候補を確認します。
cd /storage
pwd
ls
du -sh -- "削除候補"
対象が正しいと確認できたら、対話確認付きのrm -riを使うと、削除前に確認を挟めます。
rm -ri -- "削除候補"
ファイル名や現在の場所を間違えると、必要なデータまで削除する可能性があります。重要なデータをバックアップし、表示されたパスと容量を確認してから実行してください。
コマンド操作に慣れていない場合は、Paperspaceのファイル画面から削除できるものを先に整理する方法もあります。
DatasetやModelは別の画面から削除することがある
Paperspaceでは、すべてのデータを/storageから削除できるとは限りません。
Datasetは読み取り専用の保存元として扱われ、保存済みファイルを個別に編集・削除できません。削除する場合は、Paperspaceのプロジェクトを開き、DataタブからDataset自体を削除します。
モデルリポジトリへ保存したModelは、Modelsタブから削除します。
/storageのファイルを削除しても使用量が思ったほど減らない場合は、次も確認してください。
- DataタブのDataset
- ModelsタブのModel
- 別のプロジェクト
- 別のNotebook
- 同じチーム内のStorage
Storage以外の有料リソースも確認する
保存データを無料枠以内にしても請求が続く場合は、GradientのStorage以外に有料リソースが残っている可能性があります。
公式料金表では、次のリソースにも料金が設定されています。
- Block Storage
- Shared Drive
- Snapshot
- Custom Template
- Public IP Address
- Private Network
- VPN
Machineの利用を停止しただけでは、関連するStorageや静的Public IPなどの料金がすべて止まるとは限りません。公式ドキュメントでも、Machineを停止した後も、紐づくStorageやPublic IPなどは破棄するまで課金が続く場合があると案内されています。
請求を完全に止めたい場合は、次の順番で確認します。
- 有料プランが解約されているか
- 現在のプランに含まれるStorage容量以内か
- 不要なDatasetやModelが残っていないか
- Block StorageやShared Driveが残っていないか
- SnapshotやCustom Templateが残っていないか
- 静的Public IPなどが残っていないか
- 別のチームやワークスペースにリソースが残っていないか
私の場合は、有料プランの解約はできていましたが、Stable DiffusionやFramePackのモデルファイルを整理できていませんでした。
データを削除しても最後に請求される可能性がある
不要なデータを削除して無料枠以内にしても、削除前までに発生した料金が次の請求へ反映される可能性があります。
データを削除した直後に少額の請求があっても、必ずしも削除に失敗したとは限りません。次の請求期間になっても請求が続く場合は、Billing明細とStorage使用量をもう一度確認します。
原因を特定できない場合は、次の情報を用意してPaperspaceまたはDigitalOceanのサポートへ問い合わせるのが確実です。
- 請求された日
- 請求金額
- Billingに表示されている項目名
- Storageの現在の使用量
- 削除したリソース
- 対象のチームやワークスペース
現在はPaperspaceを卒業してローカル生成へ移行した
私はStorageを整理した後、Paperspaceでの画像生成を卒業し、現在はRTX 3060 Tiを搭載したThinkStation P520でStable Diffusionをローカル生成しています。
RTX 3060 TiのVRAMは8GBです。使用するモデル、UI、解像度、バッチサイズ、拡張機能によって必要量は変わりますが、私が普段行っている画像生成の範囲では実用的に使えています。
クラウドは高性能なGPUをすぐ利用できる一方、使わなくなった後もStorageなどのリソース管理が必要です。利用頻度が高く、手元のPCを管理できる人は、ローカル生成へ移る方法も選択肢になります。
私が使っているThinkStation P520の構成と増設性を見る
VRAM 8GBでどこまで生成できるかは、使用条件と実測値を整理した別記事で詳しく検証する予定です。
まとめ
Paperspaceの有料プランを解約した後も少額請求が続く場合は、まずBilling明細を確認してください。
Storageが原因なら、Team SettingsのStorage使用量を確認し、必要なデータをバックアップしたうえで、現在のプランに含まれる容量以内まで整理します。
Stable Diffusionや動画生成AIを使っていた人は、生成画像だけでなく、チェックポイント、LoRA、VAE、ControlNet、FramePackなどのモデルが残っていないか確認してみてください。
それでも請求が続く場合は、Snapshot、Block Storage、Shared Drive、静的Public IPなど、別の有料リソースも確認しましょう。
