Gemini系サービスでは入力データは学習される?公式情報をもとに正確に整理

当ページのリンクには広告が含まれています。
Gemini系サービスでは入力データは学習される?公式情報をもとに正確に整理

「Geminiにチャットした内容って、Googleに学習されてるの?」と気になったことはありませんか。ネット上にはさまざまな情報が溢れていますが、古い情報や別サービスの説明が混ざっているケースも多く、正確な状況が分かりにくくなっています。

この記事では、公式ドキュメントをもとにGemini系サービスごとのデータ利用ポリシーを整理します。

目次

まず結論を一覧で確認

同じ「Gemini」「Google AI」という名前でも、サービスや設定によって扱いはまったく異なります。

スクロールできます
サービス学習に使われる?
一般向け Gemini アプリ(Keep Activity オン)使われる(AIモデルのトレーニングに使われる)
一般向け Gemini アプリ(Keep Activity オフ)使われない(ただし72時間の一時保存は残る)
Gemini Code Assist 無料版(個人)使われる(コード・プロンプト・生成結果が対象)
Gemini Code Assist(Google AI Pro / Ultra)使われない
Google Antigravity(個人 Gmail アカウント)使われる(テレメトリ設定でオプトアウト可能だが完全停止かはグレー)
Google Antigravity(AI Ultra for Business / GCP 経由)使われない(規約で明記。ただしWorkspace単体では利用不可のケースあり)
Gemini for Google Workspace使われない(組織向けの別ポリシーで保護)

一般向け Gemini アプリの場合

一般の Gmail アカウントで使う Gemini アプリ(gemini.google.com やスマホアプリ)は、デフォルトで「Keep Activity(アクティビティを保存する)」がオンになっています。

Googleの公式ヘルプ(Gemini Apps Privacy Notice)には、Keep Activity がオンのとき、次のようなデータが収集されると書かれています。

  • 入力したプロンプト(テキスト)
  • 共有した画像・ファイル・動画・画面
  • Gemini Live の音声・画面共有
  • Gemini が生成したコンテンツ
  • Connected Apps(Gmail・Googleフォトなど)から共有した情報

そして、これらのデータは「サービスの提供・維持・改善や、生成AIモデルのトレーニングを含む機械学習技術の向上」に使われると明記されています。 また、一部のチャットは人間のレビュアーが内容を確認することもあると説明されています。

学習をオフにする方法

Keep Activity をオフにすると、それ以降のチャットはAIモデルのトレーニングには使われなくなります。ただし、いくつか注意点があります。

  • オフにしても、Geminiが応答するための処理や安全対策のために、チャットは最長72時間は一時保存されます。
  • チャット履歴が保存されなくなるため、過去の会話を見返せなくなります。
  • 「学習に使わない」=「何も保存されない」ではありません。

Keep Activity のオン・オフは、Googleアカウントの「Gemini Apps Activity」の設定から変更できます。

Personal Intelligence(パーソナルインテリジェンス)についても注意

2026年1月に発表されたPersonal Intelligenceは、GmailやGoogleフォトなどと連携してよりパーソナルな回答を返してくれる機能です。

Googleのブログには、Personal Intelligenceはデフォルトでオフで、ユーザーが自分で有効にするものだと説明されています。 ただし、この機能はあくまで「一般向け Gemini アプリの上に乗っている機能」です。 GmailやGoogleフォトの内容そのものはAIの学習には使われないとされていますが、それらを参照して行ったチャットのやり取りは、Keep Activity の設定に従って扱われます

つまり、Keep Activity がオンの状態でPersonal Intelligenceを使うと、そのやり取りが学習用途に使われる可能性があります。

Gemini Code Assist の場合は無料版と有料版で別物

開発者が使う Gemini Code Assist(VSCode などのIDE拡張)は、プランによって扱いが大きく違います。

無料版(Gemini Code Assist for individuals)

Googleの公式プライバシー通知には、無料の個人向けプランでは次のデータが収集されると明記されています。

  • 入力したプロンプト
  • 関連するコード
  • Geminiが生成したコード
  • コードの編集内容
  • フィードバックや利用情報

これらは「Google の製品・サービス・機械学習技術の提供・改善・開発」に使われます。 品質向上のために人間のレビュアーが内容を確認することもあります。

Google自身が「レビュアーに見られたくない情報や、機密情報は送らないようにしてください」と注意を促しているほどです。

なお、無料版でもオプトアウト(学習に使わせない設定)は可能です。公式の設定手順に従えば、将来のデータをモデル改善に使われないようにできます。

Google AI Pro / Ultra 経由で使う場合

有料の Google AI Pro または Ultra を契約してから Gemini Code Assist(または Gemini CLI)を使う場合は扱いが変わります。

Googleの公式FAQには、Google AI Pro や Ultra を購入してCode AssistまたはCLIを利用する場合、データはGoogleの機械学習モデル改善には使われないと明記されています。

つまり、同じ「個人のGoogleアカウント」であっても、無料版と有料版では学習の扱いがまったく異なります。 ここを混同した記事がネット上には多いので注意が必要です。

Google Antigravity の場合

Google Antigravity は、Googleが提供するエージェント型のAI IDE(統合開発環境)です。 Cursor のような「AIに大量のコードを丸投げできる」ツールとして注目されていますが、データの扱いについては特に注意が必要です。

誰でも使えるわけではない点をまず確認

2026年5月時点の情報を整理すると、Antigravity の利用条件はだいたい次のようになっています。

  • 個人 Gmail + Google AI Pro / Ultra:利用可能
  • Google Workspace アカウント単体基本的に利用不可
    「Workspace では Gemini は使えるが Antigravity は使えない」という報告が複数あります。
  • Google Workspace + AI Ultra for Business アドオン(または GCP 経由):利用可能。Workspace 経由として扱われる。

つまり、「Workspace 経由のポリシー」が書かれていても、現状それを利用できるのは主に AI Ultra for Business 等のアドオンを有効化した組織だと考えた方が現実に近いです。

個人 Gmail アカウントで使う場合

Antigravityの追加利用規約(Additional Terms)には、個人アカウントでの利用に関して次のように明記されています。

ユーザーが本サービスを利用する際、Google はユーザーデータ、本サービスの利用に関するインタラクションデータ、本サービスに関連するメタデータ、ユーザーから提供されたフィードバック(総称して「インタラクション」)を記録し、保存します。
これらのインタラクションは、Google および Alphabet の研究、製品、サービス、機械学習技術の評価、開発、改善に利用されます。

https://antigravity.google/terms

ここで言う「インタラクション」には、入力したプロンプト、アップロードしたソースコード、AIが生成したコード、フィードバック、利用状況に関するメタデータが含まれます。

個人Gmail アカウントで Antigravity を使う場合、コードやプロンプトを含むやり取りが、Google・Alphabetの研究や機械学習技術の改善に使われる設計になっている、ということです。

学習をオフにする方法(テレメトリのオフ)

Antigravity の設定ドキュメントには、「Enable Telemetry」という設定項目があります。

  • Enable Telemetry がオン:Antigravity がインタラクションを収集し、製品と機能の改善に利用する。
  • Enable Telemetry をオフ:このテレメトリ収集を止められる、と説明されています。

オフにする手順は以下です。

  1. 画面右上のアカウントアイコンから「Quick Settings Panel」を開く
  2. 右下の「Advanced Settings」をクリック
  3. 左メニューの「Account」を選択
  4. 「Enable Telemetry」をオフにする

ただし、追加利用規約の方では「インタラクション全体をGoogleが記録し、研究・製品・機械学習技術の改善に利用する」と別途書かれているため、Telemetry をオフにしただけで学習利用が完全に止まるかどうかは文言上グレーです。

また、規約には「インタラクションの削除を希望する場合は antigravity-support@google.com まで連絡できる」とも記載されています。

AI Ultra for Business / GCP 経由で使う場合

Antigravityの追加利用規約には、Workspace・GCP経由での利用に関して明確な除外条項があります。

上記にかかわらず、お客様が Google Workspace または Google Cloud Platform 経由で本サービスにアクセスしている場合、Google はお客様のプロンプト、コンテンツ、またはモデル応答を収集しません。

https://antigravity.google/terms

この条項により、Workspace / GCP 経由で Antigravity を使う場合は、プロンプト・コード・生成結果は収集されないことが明示されています。

ただし前述のとおり、Workspace でこの条件に当てはまる利用ができるのは、現時点では AI Ultra for Business などのアドオンを追加した環境にほぼ限られます。

そのため、「Workspace なら常に安全」というより、「AI Ultra for Business などの正規ビジネスプラン経由で使う場合に限り、強い保護が働く」と理解するのが現実的です。

Gemini for Google Workspace(企業・学校向け)は別物

企業や学校のGoogleアカウントに付属する「Gemini for Google Workspace」は、一般向けとは別のポリシーで動いています。

GoogleのWorkspace向けPrivacy Hubには、チャットやアップロードしたファイルは、ユーザーの許可なく人間がレビューしたり、生成AIモデルのトレーニングに使ったりしないと説明されています。

「同じGeminiを使っているのに扱いが違うのはなぜ?」と思う方もいるかもしれませんが、個人GmailのGeminiと会社のWorkspaceアカウントのGeminiはポリシーが別物、と覚えておくとよいです。

記事やSNSの情報を読むときの注意点

GeminiやAntigravityのデータ利用について誤解が広まりやすい理由は主に2つあります。

  1. 「Gemini」「Antigravity」という同じ名前でも、サービスや設定・プランによって扱いが違う
  2. Googleは頻繁にポリシーや機能をアップデートするため、古い情報が残っている

正確な情報を確認したいときは、次の公式ドキュメントを直接参照するのがおすすめです。

まとめ

Gemini系サービスの入力データが学習されるかどうかは、「サービスの種類」「プランの有無」「設定の状態」の3つで決まります。

  • 一般向けGeminiアプリ:Keep Activity がオンなら学習利用の対象。オフにすれば将来のチャットはAIトレーニングに使われないが、72時間の一時保存は残る。
  • Gemini Code Assist 無料版:コードやプロンプトは改善・学習に使われる。設定でオプトアウト可能。
  • Google AI Pro / Ultra 経由の Gemini Code Assist:学習には使われない。
  • Google Antigravity(個人 Gmail):コードやプロンプトを含むインタラクションが学習・改善に使われる。テレメトリのオフで収集を抑えられるが、完全な学習停止かはグレー。
  • Google Antigravity(AI Ultra for Business / GCP 経由):プロンプト・コード・生成結果は収集されない(規約で明記)。ただし Workspace 単体では利用できないケースが多い。
  • Workspace向けGemini:学習や無断レビューは行われない。

「Geminiは安全」「Geminiは危険」と一言で語るのではなく、「どのGemini/Antigravityを、どの設定で、どのプランで使っているか」で判断するのが正確です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次