Google Antigravityを使っているときに、AIとのチャットは問題なくできるのに、ファイルの読み書きやコマンドの実行を頼んだ途端にエラーで止まってしまったことはありませんか?
僕のWindows環境でも、ある日突然、AIからファイル操作やターミナルコマンドが一切実行できなくなるトラブルに見舞われました。表示されたエラーログを確認したところ、googlecloudtools.datacloud_telemetry というプラグインの PreToolUse で MODULE_NOT_FOUND が起きていることがわかりました。
結論からお伝えすると、僕の環境ではプラグインの設定ファイルである hooks.json を開き、enabled の値を true から false に書き換えてAntigravityを再起動することで無事にツールが動くようになりました。
会話はできるのにファイル操作だけが動かないと、どう対処すべきか戸惑ってしまいますよね。この記事では、このトラブルが発生する原因の仕組み、実際に僕の環境で解消した5段階の手順、PowerShellでの確認方法、フォルダ削除を避けた理由、無効化による影響範囲、そして後日発生した再発への対処まで詳しくまとめました。
Antigravityで発生した症状とエラーログ
最初に気づいたのは、AntigravityのAIにファイル操作を頼んだときでした。
AI自体とは会話できます。しかし、次のような操作を行おうとすると処理が止まってしまいます。
- ファイルを読む
- ファイルを書き換える
- コマンドを実行する
- その他のツールを使う
AI側からは「内部のツールが利用できない」という説明が返ってきます。
現在も私(AI)からファイルやコマンドを読み書きするための機能が、
環境のエラーによってブロックされている状態です。
datacloud_telemetry というシステムのプラグイン設定に
問題が起きているようです。
さらに詳細なエラーログを確認したところ、Node.jsのモジュール読み込みに関する次のようなエラーが出力されていました。
Error: Cannot find module 'C:\Users\user\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry\"C:\Users\user\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry\telemetry_hook_bundle.js"'
このエラーログのパスをよく見てみると、本来参照されるべきファイルのパスは次の通りです。
C:\Users\user\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry\telemetry_hook_bundle.js
ところが実際のエラーでは、プラグインフォルダのパスの末尾に、二重引用符で囲まれた絶対パスがもう一度連結されてしまっています。そのため、Windows上で存在しない不正なファイルパスを探しに行ってしまい、Node.jsが「モジュールが見つからない(MODULE_NOT_FOUND)」とエラーを出していました。
なお、上記のログにある C:\Users\user\... は僕の環境における実際のパス表記ですが、読者の皆さんの環境ではWindowsのユーザー名部分が異なります。一般的な表記としては %USERPROFILE%\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry に該当します。
原因の仕組み:なぜPreToolUseの不具合で全ツールが止まるのか
なぜプラグイン1つのエラーで、ファイル操作やターミナルコマンドなどすべてのツールが止まってしまうのでしょうか。その理由は、Antigravityに備わっている「Hooks(フック)」という機能の仕組みにあります。
AntigravityのHooksは、AIエージェントがファイル編集やコマンド実行などのツールを呼び出す前後に、特定の処理を自動実行できる仕組みです。公式ドキュメント(Hooks) の解説によると、PreToolUse はその名の通り「ツールが実行される前」に割り込んで動作するHookです。
問題が起きていた環境の hooks.json を確認したところ、次のような設定が記述されていました。
{
"googlecloudtools.datacloud_telemetry": {
"enabled": true,
"PreToolUse": [
{
"matcher": "*",
"hooks": [
{
"type": "command",
"command": "node \"C:\\Users\\user\\.gemini\\config\\plugins\\googlecloudtools.datacloud_telemetry\\telemetry_hook_bundle.js\" --agent_name gemini --install_source \"Antigravity IDE\" ; exit 0",
"timeout": 30
}
]
}
]
}
}
ここで特に重要なのが、"matcher": "*" という部分です。
公式ドキュメントでも説明されている通り、matcherに指定された * はすべてのツールに一致する指定です。つまり、このHookはAIがどんなツールを使おうとしても、その直前に必ず割り込んで実行される設定になっていました。
処理の流れを整理すると、今回のログや設定、筆者の症状からは次のような仕組みが考えられます。
- AIが何らかのツール(ファイル読み込みやコマンド実行など)を呼び出そうとする
- 実行直前に
datacloud_telemetryのPreToolUseHookが呼び出される - パスの二重化により、Node.jsが
telemetry_hook_bundle.jsを見つけられずエラーになる - 前処理であるHookが失敗したため、本来動くはずだったツールの実行自体が中断される
このように、今回のケースではツールを実行する前の関門となっているHookがエラーで落ちてしまったため、AI本体のチャット機能は生きていても、すべてのツール操作が手前で遮断されてしまっていたと考えられます。
なお、公式ドキュメント(Hooks) で確認できるのは、PreToolUse の実行タイミング、matcher: "*" が全ツールを対象とすること、そして enabled: false でその名前付きHookを無効化できることまでです。一般的な例外処理やエラー時の挙動についての公式保証とは区別する必要がありますが、今回のログや設定、筆者の症状から考えると、全ツールに割り込むHookが手前で失敗したことがツール停止につながっていたと考えられます。
同じ不具合はGoogle公式フォーラムでも報告されている
この問題は僕の環境だけで起きた特殊な現象ではありません。
2026年8月26日、Google AI Developers Forum において、Windows 10/11環境を利用しているユーザーから不具合報告が投稿されています。その投稿でも、Windows環境で googlecloudtools.datacloud_telemetry のパスに不正なエスケープ引用符が入り込んで MODULE_NOT_FOUND が発生し、ターミナルコマンドやファイル操作を含むすべてのエージェントツールがブロックされるという、今回とほぼ同じ症状が挙げられていました。
さらに、2026年9月4日のフォーラム投稿 でも、別のユーザーからWindows上で同じプラグインのPreToolUse Hookが反復してツール実行を停止させる問題が報告されています。
なお、これらはGoogleが公式に不具合原因を確定させたり公式な推奨対処を告知したりしたものではなく、あくまでフォーラム上のユーザーから寄せられた不具合報告です。確認できるのは、2026年8月後半から9月時点のWindows環境において、この2件のユーザー報告が存在するという範囲に限られます。9月4日の投稿は同じHookによる反復的な停止の報告であり、複数ユーザー全員で同じパス構造が原因だったと確定しているわけではありません。
解決手順:hooks.jsonのenabledをfalseにする5段階
エラーログに googlecloudtools.datacloud_telemetry や PreToolUse、MODULE_NOT_FOUND が表示されている場合、このHookを無効化することでエラーが解消するか確認できます。
公式ドキュメント(Hooks) によると、Hookの設定で enabled を false に変更することで、設定やスクリプト自体を削除することなくその名前付きHookを無効化できると説明されています。
変更対象はあくまで googlecloudtools.datacloud_telemetry という名前付きHookの enabled だけです。他の機能やプラグイン全体を一括で無効化するわけではありません。
筆者の環境で実際に行った対処の流れは次の5段階です。
ステップ1:Antigravityを完全に終了する
設定ファイルを編集している最中にバックグラウンドのプロセスからファイルが上書きされたり競合したりするのを防ぐため、まずはAntigravityを完全に終了させておきます。
ステップ2:プラグインのフォルダを開く
エクスプローラーを起動し、アドレスバーに次のフォルダパスを入力してEnterキーを押します。
%USERPROFILE%\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry
※アドレスバーには上記のようなフォルダパスを入力します(hooks.json などのファイル名までは含めません)。筆者の環境では、実パスは C:\Users\user\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry でした。
開いたフォルダ内では、僕の環境では次のファイルが確認できました。
hooks.jsonplugin.jsontelemetry_hook_bundle.js
なお、公式ドキュメント(Plugins) によると、Antigravity IDEのグローバルプラグインは ~/.gemini/config/plugins/ 配下に配置される仕様になっています。
ステップ3:hooks.jsonのバックアップをとる
設定を書き換える前に、念のため hooks.json のバックアップをとっておきます。
同じフォルダ内で hooks.json をコピー&ペーストし、名前を hooks.json.backup などに変えて保存しておけば、問題が起きた場合でも元に戻せます。
ステップ4:enabledをtrueからfalseへ変更する
バックアップが完了したら、hooks.json をメモ帳などのテキストエディタで開きます。
設定ファイル全体を書き換える必要はありません。該当する名前付きHookの "enabled" の行だけを変更します。
【変更前】
"enabled": true
【変更後】
"enabled": false
matcherやcommandの内容など、他の行は変更しません。
編集が終わったら、ファイルを上書き保存してメモ帳を閉じます。
ステップ5:Antigravityを再起動して動作確認する
設定ファイルを保存したら、Antigravityを再起動します。
再起動後、AIとのチャット画面でファイル操作やコマンド実行を伴う指示を出してみましょう。
筆者の環境では、この変更によってファイル読み込み、ファイル編集、コマンド実行が再び利用できるようになりました。
PowerShellでhooks.jsonを確認・編集する方法
エクスプローラーでフォルダを探す代わりに、PowerShellから設定の確認や編集を行うこともできます。
PowerShellを起動し、次のコマンドを実行してプラグインフォルダのパスを変数に格納します。
$plugin = "$env:USERPROFILE\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry"
※PowerShellでは環境変数を $env:USERPROFILE の形式で参照します。環境変数の仕様については、Microsoft公式ドキュメント(about_Environment_Variables) に記載されています。なお、コマンドプロンプトやエクスプローラー用の %USERPROFILE% をそのままPowerShellへ入力しても正しく解釈されないためご注意ください。
続いて、フォルダ内にファイルが存在するか確認します。
Get-ChildItem -LiteralPath $plugin
実行して僕の環境では hooks.json、plugin.json、telemetry_hook_bundle.js が確認できました。
現在の hooks.json の中身をコンソール上で確認するには、次のコマンドを実行します。
Get-Content -LiteralPath "$plugin\hooks.json"
出力結果の中で "enabled": true になっていることが確認できたら、そのままメモ帳を呼び出して編集することも可能です。
notepad "$plugin\hooks.json"
メモ帳が起動したら、ステップ4と同様に該当行を "enabled": false に書き換えて上書き保存し、Antigravityを再起動してください。
プラグインのフォルダを削除するだけでは再発する可能性がある
設定ファイルを編集する代わりに、「問題を起こしている googlecloudtools.datacloud_telemetry フォルダごと削除すればいいのではないか」と考えるかもしれません。
しかし、フォルダそのものの削除はおすすめしません。
Google AI Developers Forumの報告では、プラグインフォルダを手動で削除しても、Antigravityによって再びプラグインが追加され、問題が再発するケースが報告されています。
筆者の環境でも確認してみたところ、過去に無効化を試みた痕跡と思われる hooks.json.disabled というファイルが残っていた一方で、新しく hooks.json が生成されていました。
そのため、今回のケースではフォルダそのものを削除するより、設定ファイルで "enabled": false と設定する方法を試すのがよいでしょう。
datacloud_telemetryを無効化しても大丈夫?影響範囲の確認
無効化にあたって、Antigravityの他の動作に支障が出ないか気になる方もいると思います。
今回無効化しているのは、googlecloudtools.datacloud_telemetry の PreToolUse Hookです。
少なくとも筆者の通常のAntigravity利用では、"enabled": false にしたあとも、ファイルの読み込みや編集、コマンド実行といった基本的なエージェント機能は正常に利用できています。
ただし、Google Cloud関連機能への影響は確認できていません。
そのため恒久的な削除ではなく、今回のように設定で一時的に無効化しておく方法が適しています。
【追記】後日、同じエラーが再発した
この記事を書いたあと、僕の環境で再び同じエラーが発生しました。今回も、hooks.json の enabled を false に変更してAntigravityを再起動すると解消しました。
症状は前回と同じです。Antigravityからファイル操作やコマンド実行ができなくなり、googlecloudtools.datacloud_telemetry の PreToolUse エラーが表示されました。
そこで、次の設定ファイルをもう一度確認しました。
%USERPROFILE%\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry\hooks.json
以前は無効にしたはずの設定が、再び次の状態になっていました。
"enabled": true
これを、
"enabled": false
へ変更して保存し、Antigravityを再起動したところ、ファイル操作やコマンド実行ができるようになりました。
少なくとも僕の環境では、一度この方法で直しても、設定が有効に戻って再発することがありました。
以前この方法で解決したのに同じ症状が出た場合は、まず hooks.json の enabled が true に戻っていないか確認してみてください。戻っていた場合の変更手順は、上で紹介した方法と同じです。
なお、設定が再び有効になった理由は確認できていません。今回確認できたのは、設定が true に戻っていたことと、再び false に変更して再起動すると解消したことです。
また、Antigravityはプラグインを ~/.gemini/config/plugins/ などから読み込む仕組みになっています。公式ドキュメント(Plugins) でも、グローバルプラグインの配置場所としてこのディレクトリが案内されています。設定を変更しても解消しない場合は、同じ名前のプラグインやHookが別の場所にないかも確認した方がよいでしょう。
まとめ
Antigravityで突然、次のようなエラーが出てファイル操作やコマンド実行ができなくなった場合は、datacloud_telemetry のHookが原因になっている可能性があります。
googlecloudtools.datacloud_telemetry
PreToolUse
MODULE_NOT_FOUND
telemetry_hook_bundle.js
すべてのツール実行の手前に割り込む設定("matcher": "*")になっていたため、今回のケースではこのHookが1つ失敗したことで、AIから行うあらゆるツール操作が中断されてしまっていたと考えられます。
僕のWindows環境では、次の手順で解消できました。
- Antigravityを完全に終了する
%USERPROFILE%\.gemini\config\plugins\googlecloudtools.datacloud_telemetry\hooks.jsonを開く- 該当するHookの
"enabled": trueを"enabled": falseに書き換えて保存する - Antigravityを再起動する
また、後日同じ症状が再発した際も、まずは hooks.json の enabled が true に戻っていないかを確認してみてください。
今回の手順は僕の環境での実体験に基づいた対処法であり、すべてのWindows環境や今後のバージョンでの動作を保証するものではありません。しかし、Antigravity本体を再インストールする前に、まず設定ファイルを確認してみる価値があります。


