ブログ記事を書いていると、「自分で撮った写真を載せたい」と思う場面は多いですよね。自分で撮影したオリジナルの写真は、記事の説得力を高め、読者にも親近感を持ってもらいやすい大切な素材です。
しかし、スマホで撮った写真をそのままブログに載せようとするとき、「自宅の場所がわかってしまわないか」「家族や近所の情報が写り込んでいないか」と不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、ブログに写真を載せる前には、「写真に写っている見た目の情報」と「ファイルに保存された撮影場所(位置情報)」を別々に確認することが大切です。
元データをそのまま使うのではなく、不要な情報を外した掲載用のコピーを用意しましょう。WordPressやプラグインの自動処理はあくまで補助として考え、実際に公開される原画像・縮小画像・配信画像を分けて確かめておくのが安全です。もし確認できない情報や、見せたくない情報が残ってしまう写真は、無理に載せず見送るのも賢い選択です。
この記事では、自分で管理するWordPressブログを対象に、スマホの設定やプラグイン任せにせず、手元の写真と公開後の画像を迷わず確認するためのポイントを整理してご紹介します。
写真の見た目と、保存された位置情報を別々に確認する
写真を掲載する際、まず何から確認すべきか迷ったら、①写真に写り込んだ住所や顔などを拡大して見ること、そして②ファイル自体に撮影場所の情報が記録されていないか確認することの2つを分けて行います。どちらか片方だけ確認しても、もう片方の情報は防げないからです。
Exifと位置情報(GPS)の違い
デジカメやスマホで写真を撮影すると、画像ファイルの中に「Exif(イグジフ)」と呼ばれる撮影情報が記録されることがあります。これには撮影日時やカメラの機種、撮影時の設定(シャッタースピードや絞りなど)が含まれます。
カメラやアプリの設定などによっては、撮影場所の緯度・経度(GPS情報)もその一部として記録されます(Apple公式:位置情報メタデータ、Googleフォト ヘルプ:写真の位置情報、2026-10-20確認)。
「Exif=住所」というわけではなく、すべての写真にGPS情報が必ず入っているわけでもありません。しかし、もし自宅や生活圏で撮った写真に位置情報が残っていると、ファイルのデータから場所を特定される可能性があります。
一方で、後述するメタデータの削除を行っても、写真そのものに写っている景色や文字は消えません。だからこそ、「見た目」と「保存データ」の両方を別々に確認する必要があります。
目視でチェックするポイント(拡大して確認)
画面上で写真を拡大し、生活圏や個人が特定できる手がかりがないか確認します。
- 窓の外の景色: 特徴的な建物や看板、鉄塔などが背景に写っていないか確認します。必要に応じてカーテンを閉めて撮り直すか、トリミング(切り抜き)で不要な背景をカットします。
- 反射や写り込み: 窓ガラスや鏡、電源が切れているテレビ・パソコンの黒い画面、光沢のある調理器具や食器などに、部屋の様子や撮影者の顔が写り込んでいないかをチェックします。
- 生活情報・文字情報: 郵便物の宛名、カレンダーの書き込み、学校指定の用品や制服、電柱の住所表示や看板など、文字として読める情報がないかを見落とさないようにします。
もし不要な情報が写り込んでいる場合は、トリミングで除外するか、画像編集ソフトで不透明な塗りつぶしを行ってください。保存後の画像を拡大し、隠したい文字や顔が読めたり判別できたりしないことを再確認しましょう。
周囲の人や施設への配慮
自分だけでなく、周囲の人のプライバシーや施設のマナーにも配慮が必要です。
カフェや公園などで他の人の顔がはっきり写っている場合は、掲載の同意を得るか、切り抜きや塗りつぶしで判別できないように加工します。また、店舗や施設によっては撮影が許可されていてもブログ等への公開が禁止されている場合もあります。車のナンバーや他人の表札なども含め、公開してよいか判断に迷う情報は外すか、掲載自体を見合わせるのが安心です。
写真を見直して「残したい主題」と「外すべき不要な情報」を整理できたら、次はファイルに保存された位置情報の確認に進みましょう。
今ある写真の確認と、スマホの今後の設定を分ける
「スマホのカメラ設定で位置情報をオフにしたから、今ある写真も大丈夫」「共有で位置情報を消したからWordPressにもそのまま載せられる」と考えてしまいがちですが、これらはそれぞれ別の操作です。
手元にある写真の位置情報を確認・削除すること、今後の撮影で位置情報を記録しないこと、そして共有時に位置情報を除外することは、対象も適用される範囲も異なります。
| 目的 | 対象と操作 | 注意点 |
|---|---|---|
| 今ある写真を確認・必要に応じて削除する | iPhone/iPad:写真アプリで写真を開き、情報ボタン(「i」マーク)から位置情報を確認し、「位置情報なし」への調整や位置情報の削除が可能です(Apple公式:写真で位置情報メタデータを管理する、2026-10-20確認)。 Android(Googleフォト):Googleフォトアプリで写真の詳細を開くと位置情報を確認できますが、カメラが記録した撮影場所をアプリ内で削除することはできません(Googleフォト ヘルプ:写真の位置情報について、2026-10-20確認)。手動で追加した場所や推定位置の扱いと、カメラ記録の位置情報は異なります。 | Googleフォトで位置情報が表示されない場合でも、ファイル自体のメタデータがすべて存在しないとは言い切れません。また、ランドマーク等からの推定位置情報とカメラ記録は別物です。 |
| Androidの既存JPEG写真をPCローカルで扱う | Androidで撮影した既存のJPEG写真から位置情報を外したい場合、PCに掲載用のコピーを移し、メタデータ編集ソフト等を用いてローカル環境で処理する選択肢があります。 | ExifTool開発元の公式ドキュメント(ExifTool FAQ #32、2026-10-20確認)では、JPEG画像の色空間(ICCプロファイルなど)を保ちながらメタデータを削除する配慮が示されています。JPEG用の方法をRAWやHEICなどの形式へそのまま流用することはできません。コマンド操作は必須ではなく、また個人写真を外部のオンライン検査サイト等へ安易に送信することは避けてください。 |
| 今後の撮影で位置情報を保存しない | Pixelカメラ:カメラアプリの「設定」→「その他の設定」から「位置情報を保存」をオフにすることで、今後の撮影時に位置情報を記録しない設定が可能です(Google Pixelカメラ ヘルプ、2026-10-20確認)。 iPhone:「設定」アプリの「プライバシーとセキュリティ」→「位置情報サービス」から、カメラアプリの位置情報アクセス権限を「しない」に変更します(Apple公式:写真で位置情報メタデータを管理する、2026-10-20確認)。 | 今後の設定を変更しても、すでに撮影済みの過去の写真に記録された位置情報は削除されません。また、Pixelカメラの手順はPixel独自のものであり、すべてのAndroid端末やカメラアプリに共通するわけではありません。OSやアプリのバージョンによって項目名が異なる場合があります。 |
| 共有時に位置情報を渡さない | iPhone:写真アプリの共有シートから「オプション」を開き、位置情報をオフにして共有相手に送る機能があります(Apple公式:写真で位置情報メタデータを管理する、2026-10-20確認)。 Googleフォト:共有リンクを作成する際に位置情報を非表示にする設定があります(Googleフォト ヘルプ:撮影場所を含む写真を共有する、2026-10-20確認)。 | 共有シートでの除外設定は、ブラウザからWordPressのメディアライブラリへ直接写真を選択・アップロードする動作まで自動的に保証するものではありません。また、Googleフォト内で位置情報を非表示にして共有しても、元のファイルをダウンロードした場合にはカメラ記録の位置情報が含まれることがあります。 |
大切な思い出の写真原本はそのまま安全に保管し、ブログ掲載用には複製したコピーファイルを用意して作業を行いましょう。手元の掲載用ファイルから不要な情報が外れていることを確認できたら、次にWordPress側の仕組みを押さえていきます。
WordPressは原画像・縮小画像・配信画像を分けて確かめる
「WordPressにアップロードすれば自動で位置情報が消える」「画像プラグインを入れているから大丈夫」と過信してしまうのは禁物です。WordPressやプラグインの挙動は環境によって異なり、またサイト上で公開されるファイルは1つだけではないからです。
自動処理を前提にせず、処理されたファイルとそのまま残るファイルを分けて確認することが大切です。
EWWWの「メタデータを削除」は、設定と処理結果を確認する
WordPressで画像を最適化する定番プラグインの一つに「EWWW Image Optimizer」があります。当サイトでも導入しているプラグインです。
EWWWには、アップロードされた画像からメタデータ(撮影日時や位置情報など)を取り除く「メタデータを削除(Remove Metadata)」という機能が備わっています(EWWW公式ドキュメント:Basic Configuration、2026-10-20確認)。
管理画面のEWWW設定において、「メタデータを削除」にチェックが入っているか確認します。

(※上記は2026年1月時点の設定画面です。プラグインの更新やバージョンによって設定タブの名称や配置が異なる場合があります。)
ただし、「チェックを入れたから完全に安心」と判断するのは早計です。理由は主に2点あります。
- プラグインの処理対象から原画像が除外されている可能性:
EWWWには詳細な設定オプション(定数指定など)があり、例えばフルサイズ原画像のメタデータ削除をスキップする設定(
METADATA_SKIP_FULL)や、アップロード時の自動処理を無効化する設定(NOAUTO)などが存在します(EWWW公式ドキュメント:Override Options、2026-10-20確認)。通常は標準設定で動作しますが、サーバー環境や設定の組み合わせによって処理対象が変わる余地があります。 - WordPress本体の画像処理による違い:
WordPress自体の画像リサイズ処理(GDやImagickなどの画像処理ライブラリ)はサーバー環境によって挙動が異なります。WordPressの公式ソースコードを確認すると、Imagickによるメタデータ削除処理において、ExifやXMPなどのプロファイルを保持対象(
protected_profiles)として保護する設計が含まれています(WordPress Developer Reference: wp_image_editor_imagick/strip_meta、2026-10-20確認、WordPress Developer Reference: image_strip_meta フック、2026-10-20確認)。
そのため、「プラグインの設定を有効にした」という事実と、「公開されるファイルから実際に位置情報が削除されたか」は、別々に確認する必要があります。
WebPと縮小画像だけを見て、原画像も同じと判断しない
ブログに画像をアップロードすると、WordPress内部では用途に合わせて複数の画像が作られ、配信されます。
| 段階 | 確認するもの | それだけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 原画像(アップロードした原本) | メディアライブラリの「ファイルのURL」を出発点に、アップロード時の原本が別に残っていないかも確認します。大きい画像をWordPressが縮小した場合などは、「ファイルのURL」が加工後のフルサイズを指すことがあります。原本のダウンロード先が別に示される場合は、そちらも対象です(WordPress Developer: wp_get_original_image_url、wp_create_image_subsizes、2026-10-20確認)。 | 記事の表示画像やクリック先だけでは、別に残る原本まで確認したとは判断できません。縮小画像から位置情報が消えていても、原本に残っている可能性があります。 |
| 派生サイズ(縮小画像) | WordPressが記事表示用に自動生成する中サイズ・大サイズなどの画像(WordPress Developer: wp_create_image_subsizes、2026-10-20確認) | 縮小画像にメタデータが含まれていない場合でも、サーバー上に保管されている原画像が同じ状態とは限りません。 |
| 形式変換(WebPなど) | JPEGやPNGから変換されたWebP画像 | 「WebP形式だから位置情報は入っていない」ということはありません。Googleの公式仕様において、WebP形式のコンテナ仕様にはExifやXMPのメタデータを格納するチャンクが定義されています(Google WebP Container Specification、2026-10-20確認)。 |
| 実際の配信 | 訪問者のブラウザに実際に送信されるファイル。HTMLのsrcset属性やサーバーのリライト設定で決まる(EWWW公式ドキュメント:Getting Started with WebP Images、2026-10-20確認) | ファイル名の末尾(拡張子)だけで判別できません。たとえばURLの末尾が「.png」のままでも、サーバーがブラウザの対応状況(Acceptヘッダー)を見て内部的にWebP形式を配信している場合があります(当サイトの公開設定画像でも同様の配信挙動を確認しています)。配信される画像だけでなく、リンク先の画像も確認が必要です。 |
なお、公開された画像を確認する際も、個人や自宅が写った写真を不特定の外部オンライン検査サイトへ送らず、ローカル環境で調べる方法を選びましょう。ただし、使う機能やソフトによって、対応する画像形式や表示できる情報は異なります(Microsoft公式:画像のメタデータ、2026-10-20確認)。対象の形式と位置情報に対応したものを使い、詳細欄が空白なだけで「情報なし」と判断しないことが大切です。対応や削除結果を確かめられない場合は、掲載を保留しましょう。
過去画像は処理履歴と再確認が必要
プラグインの設定を「メタデータを削除」に変更しても、それ以前にアップロードした過去の画像すべてから自動的に位置情報が消えるわけではありません。
EWWWには過去の画像を一括で最適化する機能(一括最適化 / Bulk Optimizer)があります。処理済みの画像が通常はスキップされる場合もありますが、処理モードや個別の再最適化などで扱いが異なります(EWWW公式ドキュメント:How to use EWWW Image Optimizer、2026-10-20確認)。
心配な過去画像がある場合は、利用している処理方法と履歴から、対象を再処理する必要があるかを確かめます。必要な画像を再処理したら、公開対象のファイルをローカルに保存して、位置情報の削除結果も確認してください。設定変更や再処理の実行だけで、確認済みとはしないようにしましょう。

掲載前の確認リスト
ブログに写真を載せる際の確認を5つのステップにまとめました。1〜3は手元でアップロード前に、4は不要な情報を外した画像をWordPressへアップロードした後に行います。どの段階でも判断に迷ったら、5の「見送る」を選べます。
- 写真を拡大し、目視でチェックする 被写体だけでなく背景や反射面を拡大し、住所、宛名、学校名、家族や他人の顔など、公開したくない情報が写っていないかを確認します。不要な部分はトリミングするか、不透明な塗りつぶしで隠し、保存後に読めなくなっているかを確かめます。
- 掲載用コピーの位置情報を確認する 写真原本ではなく「掲載用のコピーファイル」を用意し、撮影場所(位置情報)が記録されていないか確認します。情報が残っている場合は、端末の機能やソフトを使って位置情報を外した状態にしてから再確認します。
- 必要な画質と表示幅に合わせて容量を軽くする スマホで撮影した高解像度写真はデータ容量が大きく(数MB以上になることもあります)、そのまま載せるとページの表示速度に影響します。記事のレイアウトや必要とする画質に合わせて、横幅を適切に縮小(リサイズ)し、ファイル容量を圧縮しておきましょう。ただし、リサイズや圧縮、WebP変換を行ったことと、位置情報が消えたことは別問題ですので混同しないようにしてください。 また、ファイル名は「IMG_0001.jpg」のような機械的な連番ではなく、「kitchen-table.jpg」のように画像の内容が簡潔にわかる半角英数字にしておくと、画像の管理や読者の理解の助けになります(Google検索セントラル:画像のSEOベストプラクティス、2026-10-20確認)。なお、ファイル名や画像の説明文(alt属性)に個人名や住所などのプライベートな情報を含めないよう注意してください。
- アップロード後に、WordPressの処理対象と公開・リンクされる画像を確認する 記事に挿入した画像の表示とクリック先を確認し、公開対象のファイルに位置情報が残っていないかを調べます。メディアの「ファイルのURL」がアップロード時の原本とは限らないため、別に保管される原本の確認も必要です。画像処理を実行したことと、結果を確認できたことを分けてチェックしましょう。
- 情報が外せない、公開してよいか判断に迷う写真は見送る どうしても不要な写り込みが隠せない写真や、撮影場所が特定される懸念が拭えない写真は、無理に公開する必要はありません。別の写真に差し替えるか、掲載自体を見送ることも立派な判断です。

