「副業で月5万円を稼ぎたいけれど、自分にもできるだろうか」
会社員や主婦(主夫)として忙しく過ごしながら、そう考えている方は多いのではないでしょうか。
最初に結論からお伝えすると、未経験から副業で月5万円を稼ぐのは簡単ではありません。
「副業の月収の中央値は5万円」という調査もありますが、これは調査時点で副業をしている人の数字で、これから始める人が届く根拠にはなりません。初心者が月5万円に届く割合や期間の信頼できるデータは、調べた範囲では見当たりませんでした。
ただ、フリーランス歴10年のWeb編集者・ライターとして、いくつもの副業を実際に試してきた筆者の感覚では、専門の知識や経験がない分野で、スキマ時間に気軽に届く金額ではないというのが正直なところです。
必要な時間は「5万円 ÷ 時給」で決まります。筆者が実績作りでやったデータ入力(時給換算で約500円)なら、月100時間です。
この記事では、筆者が実際にやったデータ入力、Webライター、AIを使った制作、ブログ、フリマ、アフィリエイトのセルフバックを同じ物差しで比べ、条件別に最初の一歩を考えます。
副業で月5万円は難しい?「副業の中央値5万円」をうのみにできない理由
労働政策研究・研修機構(JILPT)の「副業者の就労に関する調査」(2022年10月、調査会社のモニターのうち副業をしている18〜64歳の11,358人)によると、副業の月収は次のとおりです。
- 中央値:5万円
- 平均:約9.2万円
- 5万円未満:41.2%(5万円以上は約6割)
約6割が5万円以上と聞くと、自分にもできそうに思えますよね。でも、この調査は調査時点で副業をしている人の働き方を調べたもので、これから始める人の成功率を調べたものではありません。調査票と報告書を読むと、次の4つの条件があります。
- 稼げていない人・やめた人は入らない:対象は「収入になる定常的な仕事」をしている人で、副業の月収は直近の月の実績を1円以上で答える形式です(調査票)。始めたけれど収入がない人や、途中でやめた人は数字に入りません。
- ブログのアフィリエイト収入などは対象外:ブログや動画配信サイトのアフィリエイト広告収入、個人的なネットオークションによる収入、ネット調査モニターの収入は、この調査の「仕事」に含まれません。
- 約半数は副業歴3年以上:副業を始めてからの期間は「3年以上」が48.4%です(図表2-4-12)。初心者だけの数字ではありません。
- 主な副業の46.9%はパート・アルバイト:働いた時間に応じて時給が支払われる働き方と、業務委託などの働き方が一緒に集計されています(図表2-4-2)。
なお、回答しなかった人の収入は分からないので、回答者が成功者に偏っているとまでは言えません。
| この調査で分かること | この調査では分からないこと |
|---|---|
| 調査時点で副業をしている人の月収(中央値5万円) | 初心者が月5万円に届く割合 |
| 副業の時間(週平均14.3時間)、副業歴(3年以上が48.4%) | 月5万円に届くまでの期間 |
| 副業の形態(パート・アルバイトが46.9%) | 途中でやめた人の割合、時給 |
初心者が月5万円に届く割合や期間を示す信頼できる統計は、調べた範囲では見当たりませんでした。だからこの記事では、筆者が実際にやった数字で見ていきます。
月5万円に必要な時間は「5万円÷時給」で決まる
必要な時間は「5万円 ÷ 時給(時給換算)」で決まります。
| 時給換算 | 月の必要時間 | 週の必要時間(月4.3週換算) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 500円 | 100時間 | 約23時間 | 筆者がやったデータ入力 |
| 1,000円 | 50時間 | 約12時間 | — |
| 1,177円 | 約43時間 | 約10時間 | 最低賃金の全国加重平均(令和8年度) |
| 2,000円 | 25時間 | 約6時間 | — |
| 3,000円 | 約17時間 | 約4時間 | — |
令和8年度の地域別最低賃金の全国加重平均は1,177円です(厚生労働省、2026年10月1日〜12月2日に都道府県ごとに発効)。この時給でも、月5万円には平日に毎日2時間ほどの作業が要ります。
業務委託には原則として最低賃金が適用されない
最低賃金は、雇われて働く「労働者」に適用されるルールです(厚生労働省 最低賃金制度)。クラウドソーシングなどで業務委託として受ける仕事には、原則として同じ下限がありません。ただし、契約が業務委託でも、働き方の実態から労働者と判断されれば適用されます(厚生労働省「フリーランスってな~に?」)。
そのため、時給換算すると数百円にしかならない案件もあります。筆者がやったデータ入力も時給500円くらいでした。月100時間、週23時間は、平日の夜に毎日3時間、土日に4時間ずつ作業してようやく届く計算です。クラウドソーシングでは手数料も引かれるので、手取りはさらに少なくなります。
逆算すると、必要な時給が見えてくる
副業に使える時間が週5時間(月約22時間)なら、月5万円には時給約2,300円が要ります。未経験で、最初からこの単価の仕事を続けて受けるのは簡単ではありません。
さらに、初心者のうちは「時給 × 時間」に入らない時間があります。案件を探す、応募文を書く、必要な知識を勉強する、といった準備の時間です。筆者もWebライターを始めたころは、仕事の時間以上の時間をこうした準備に使っていました。
実際にやった副業の時給と、分かったこと
筆者が実際にやった副業を、同じ物差しで比べました。数字は筆者の実績です。ポイ活だけはやっていないので、筆者の見立てです。
| 副業 | 筆者がやったこと | 時給・収入の目安 | 月5万円までの距離 | 筆者の評価 |
|---|---|---|---|---|
| データ入力 | クラウドワークスで実績作り。店舗の情報を調べてスプレッドシートに入力 | 時給500円くらい | 月100時間 | 実績作りにはなるが、月5万円はかなりきつい |
| Webライター | 正社員の傍ら、文字単価0.1円から開始(生成AIが出る前) | 1か月で文字単価1円くらい。月5万円のころの時給換算は約1,160円(仕事は週10時間) | 2か月で月5万円に到達。最初は仕事より長い時間を調べもの・勉強・応募に使った | 入り口として今も勧める。ただし今は専門知識や経験を生かせる分野が要る |
| 動画編集・Webデザイン・プログラミング | クラウドソーシングの簡単そうな案件に、AIを使って挑戦した | — | 遠い | 商用レベルは簡単に作れない。簡単そうな案件には応募が殺到 |
| ブログ | 自分のブログを運営 | 1年で月1,000円 | 遠い | AIで効率化して稼げると思うならやめたほうがいい |
| フリマ(不用品) | 使っていない物を販売 | デジカメ2万円、モバイルモニター3万円、液タブ1万2千円で売れた(買値の7割くらい) | 1回なら届くが、続かない | やったことがなければ検討してもいい |
| アフィリエイトのセルフバック | A8.netで自分で申し込んで報酬を得た | ひと月で5万円になったこともある。確定まで1〜2か月 | 同じ広告への繰り返しの申込は規約で禁止。毎月の収入源にはしにくい | 仕組みが分かり、ASP上の実績にもなる。成果条件はよく確認する |
| ポイ活 | やっていない | — | — | 月5万円の手段ではない(筆者の見立て) |
データ入力:実績作りにはなるが、月5万円はかなりきつい
クラウドワークスで実績を作るために、店舗の情報を調べてスプレッドシートに入力する仕事をしました。スキルがなくても始められる反面、時給換算は500円くらいです。最初の実績を数件作るのには使えても、これで月5万円を続けるのはかなりきついはずです。
今はAIもあるので、条件はさらに厳しく、案件も減っていると筆者は見ています。
Webライター:2か月で届いたが、仕事以外の時間が要った
Webライターは、筆者が副業で始め、今の仕事の出発点になった仕事です。正社員の傍ら文字単価0.1円から始め、1か月で1円くらいの案件が取れるようになり、2か月で月5万円に届きました。Webライターの仕事は週10時間ほどで、時給換算すると約1,160円です。
ただ、楽に届いたわけではありません。最初は案件が取れず、調べもの・勉強・応募に仕事の時間以上を使っていました。月5万円に届いたころも、仕事以外のスキルアップに時間を使っていました。
それに、生成AIが出る前の話です。当時は未経験でも文字単価1円くらいは十分に取れましたが、今は専門知識や経験を生かせる分野(AIには書けない内容)がないと厳しいと筆者は感じています。
AIをフル活用している編集者の立場から言うと、AI任せで良い記事やコピーを書くのはほぼ不可能です。逆に、専門知識や経験があれば、AIの助けで良質な記事は書けます。だから今も、副業やWebフリーランスの入り口としてWebライターを勧めています。


動画編集・Webデザイン・プログラミング:AIで作れても、商用レベルは別
クラウドソーシングで簡単そうな案件を見つけたので、AIを使って試してみました。これまで自分ではできなかった良いものは作れるようになりました。でも、スキルがなければ、お金をいただける商用レベルのものはそう簡単には作れません。とてもその道のプロには勝てないと感じました。
しかも、同じように考えて動いている人が多いのか、こうした案件には応募が群がっていて、受注そのものが難しくなっています。
ブログ:1年で月1,000円
筆者の場合、1年取り組んでも月1,000円でした。「AIで効率化すれば稼げる」と思って始めるなら、やめたほうがいいと筆者は考えています。
Googleは、AIを使うこと自体は禁止していません。ただ、ユーザーにとっての価値を足さないまま大量のページを作ると、スパムポリシーに違反する可能性があるとしています(生成AIコンテンツに関するガイダンス、スパムポリシー)。
フリマ(不用品):1回の5万円にはなるが、続かない
使っていなかったデジタルカメラが2万円、モバイルモニターが3万円、液晶タブレットが1万2千円で売れました。
どれも買値の7割くらいで、使った物でもこんなに良い値段で売れるのかと驚きました。
やったことがなければ、検討してもいいと思います。
ただ、家の不用品には限りがあるので、毎月続く収入にはなりません。なお、家具や衣服など生活に通常必要な物を売った所得には、原則として所得税がかかりません(国税庁 No.3105。1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や書画・骨とうなどは除く)。
セルフバックとポイ活:仕組みは学べるが、毎月の収入源ではない
セルフバックは、ASP(アフィリエイトの仲介会社)に登録し、自分で商品を買ったりサービスに申し込んだりして報酬を受け取る仕組みです。筆者はA8.netで、ひと月で5万円になったこともあります。クレジットカードの作成など、報酬が高めの案件もあります。成果が確定するまでは1〜2か月ほどでした。
アフィリエイトの仕組みが分かり、登録しているASP上の実績にもなるので、筆者はおすすめしています。成果条件はよく確認してください。ただ、同じ広告への繰り返しの申込は規約で禁止されています。筆者は、毎月の収入源としては勧めません。
A8.netのメディア会員利用規約は、会員登録しないと見られない広告主名や成果条件、成果報酬額などの公開を禁じています。そのため、この記事では具体的な案件を書けません。気になる方は、登録して自分で確かめてみてください。
ポイ活は、筆者はやっていません。月5万円を目指す手段ではないと考えています。Web系の仕事をしたいなら、サイトやSNSアカウントを作って、同じような案件をセルフバックでやるほうが条件が良いことが多く、スキルアップにもつながると筆者は考えています。
「AIで副業月○○万円」は信じていい?
SNSや広告で、「AI副業で月○○万円」といった言葉をよく見かけるようになりました。結論から言うと、収入の証拠を確かめる方法がない話は、うのみにしないほうがいいです。
国民生活センターは2026年5月19日、簡単なタスクで稼げるとうたう副業トラブルへの注意を呼びかけました。SNSの広告やメッセージアプリで勧誘し、最初に少額の報酬を振り込んで信用させ、作業の失敗などを理由に高額の入金を求める手口で、20〜30代で被害が急増しているとしています。
クラウドソーシングの中にも、怪しい案件はあります。筆者の経験から、次のような案件には注意しています。
- 未経験OKなのに、条件が良すぎる
- 業務の説明が少なく、何をするのか分からない
- いきなりLINEなど外部のメッセージアプリに誘導する
不自然な誘導があったら応じず、関わらないことが大切です。
AIで仕事のやり方は変わっても、「スキルがなくても稼げる」わけではありません。海外の大手フリーランスサイトのデータを分析した研究(Demirci、Hannane、Zhu「Who Is AI Replacing?」Management Science、2025年)は、ChatGPTの公開から8か月で、手作業中心の仕事と比べて、執筆・コーディング関連の求人が約21%減ったと推定しています。一方で、残った求人はより複雑で、募集時の予算も高めでした。
この研究と、AIで制作を試した体験から、筆者は「AIで簡単に作れるレベルの仕事は減り、専門性が要るプロの仕事は残る」と考えています。AIは、専門の知識や経験がある人の道具であって、それがない人の代わりにはなりにくいのです。
筆者ならこう始める:条件別の最初の一歩
| あなたの条件 | 最初の一歩 | 理由(筆者の見立て) |
|---|---|---|
| 今月お金が要る | 不用品をフリマで売るのを検討する | 筆者の体験では買値の7割くらいで売れた。ただし続かない |
| 本業の知識や経験がある | それを生かして書く(Webライター) | AIには書けない内容を記事に生かせる |
| PCがあり、Webの仕事をしてみたい | Webライター。最初の実績作りにデータ入力も | 筆者が通った道 |
| AIで効率化して楽に稼ぎたい | 勧めない | 商用レベルは簡単に作れず、価値を足さないAI量産はスパムポリシー違反になり得る |
| スマホだけ・スキマ時間だけ | 考え方を変える(月5万円を目標にしない) | おいしい仕事はない |
| 確実に月5万円が欲しい | アルバイトを検討する。在宅なら時給制の案件もある | 時給と勤務時間から必要額を見積もれる。ただ「在宅で」「スキルを生かしたい・伸ばしたい」人には合わないこともある |
「スマホだけ、スキマ時間だけで月5万円」と考えているなら、考え方を変えるべきです。どこでも言われるとおり、おいしい仕事はありません。
PCがあって、本業や趣味で深めた知識があるなら、まずはクラウドソーシングに登録して、得意なジャンルの募集を探してみてください。
始める前と稼げた後に確認すること
始める前に、就業規則を確認する
会社員なら、最初に勤め先の就業規則を確認してください。国は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定)で副業を進めていて、モデル就業規則にも副業の規定(第68条)があります。それでも、会社によっては副業を禁止していたり、届出や許可が要ったりします。
確定申告が要るか
給与を1か所から受けていて源泉徴収されている会社員は、副業の所得(給与所得・退職所得以外の所得の合計)が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。業務委託の副業なら、所得は収入から経費を引いた額です。
副業がアルバイトなどの給与の場合は、給与を2か所以上から受けている人の基準になります。同じNo.1900で確認してください。不用品の売却は原則非課税なので、ここには入りません。
住民税は、所得税とは別
所得税の確定申告が要らなくても、住民税は別です。たとえば文京区は、給与以外の所得が20万円以下で確定申告が要らない人でも、住民税は「金額の多少にかかわらず申告が必要」と案内しています(文京区 よくある質問(税金))。手続きはお住まいの市区町村で確認してください。
副業を会社に知られたくない場合は、確定申告書で副業分の住民税を「自分で納付」にする方法があります(e-Taxのよくある質問)。ただ、選べるのは給与・公的年金等以外の所得で、アルバイトの給与は対象外です。給与以外の所得がマイナスの場合など、選んでも給与から差し引かれることがあります(文京区「副業がある場合の徴収方法について」)。
※筆者は税の専門家ではありません。自分の場合は、税務署やお住まいの市区町村に確認してください。
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この記事の制度・規約・方針は、2026年10月19日に確認しました。

